ゲーム作りは難しい《アナリストになりたい人へ》

ゲーム事業は難しい

ゲーム会社に転職したので、ゲーム事業の難しさをまとめてみました。

新卒でデータ分析をやりたいと考えている人など参考になればと思います。

簡単に経歴を紹介します。

データサイエンティスト⇒事業会社複数を経て、今はゲームメーカーでアナリストという立場で色々やっています。

 

2つの難しさがある

ゲーム事業の難しいところとして感じるのは、大きく2つあるかなと思います。

  1. 企画も分かるITプロマネがいないと開発が崩壊する。そして、開発体制にナレッジが蓄積されない。
  2. ゲームの改善は思ったよりも腰が重い。

 

アナリストの立場としては、2.が辛いですね。

A/Bテスト的にウェブサイトを改善していくみたいな実験的なPDCAサイクルの回し方ができないのです。

ゲームの改善で出来ることは、1)インセンティブを与える、2)アイテム消費を激しくする、3)ゲームの難易度を挙げるの3つくらいです。

ゲームの利用活性度を保ったまま、一人当たりアイテムの消費量を挙げようとすると、1)or2)の方針での施策が考えられます。

ゲーム内での経済圏をコントロールするのであれば、有償アイテムの価格弾力性を調整する価値設定もありえます。しかし、お客様の立場からしたらこれまで積み上げてきたゲーム内資産の目減りもあり得るわけですから現実的には、ゲーム内での価値を変動させるようなことはできないのです。できるとしてもアイテムばらまき施策、購入ボーナスの設定くらいです。

 

アナリストの価値

その意味で、アナリストとしての価値は、ゲーム内での政策案の設計というよりもイベントごとの結果集計というあたりになるわけです。あえて”施策効果の検証”と記載しないのは、正しい意味での効果検証ができないからです。

施策に効果があった人の前提となる条件のランダム割り当ては当然、ゲーム内での平等性の担保から難しいわけです。さらに、ユーザーの背景特徴量もほとんどわかりません。取得できるデータと言えばアクション関連・購入関連のトランザクションです。

アナリストの価値は、データ分析の正しさ・論拠の正確さはもとより、IPの理解に基づいていかに改善できそうなストーリーを運営側に伝えられるのかという点になります。

それゆえに、精緻に計画されて取得されたデータを前提にしてデータ分析をしたい人や解析技術のノウハウだけでやっていきたい人には向いていない環境だなと思います。

 

ゲームの企画・運営となるとどんなことをやっているのか外から見ると謎に満ちている部分も多いとは思いますが、アプリ・ゲームプランナー完全マニュアルという本が業務の概要がよくまとまっていますので参考にできるかと思います。

 

★アプリ・ゲームプランナー完全マニュアル★

 

アナリストの価値を踏まえた行動

 正直、アナリストと言いつつ、なんでも屋をやっているのでこれからもプロジェクトの捌きと分析の企画の部分をやれればいいかなとは思っていますが、技術的な面(特にモノを作るという面)は強めていきたいなと思っています。

技術という意味では、アナリストの仕事を自動化するということも一つの目標です。