梅シロップのジュースがお気に入り

今週のお題「お気に入りの飲み物」ということで、自分のお気に入りの飲み物を紹介。

 

基本的には、1週間のうち飲料分類を分けてみると

 

水:お茶(紅茶など):甘い物=9:0.5:0.5

 

ということで、水以外のものが含まれているものは本当に1杯飲むかどうか程度。

 

そんな私のお気に入りは梅シロップをソーダで割った「梅ジュース」です。もちろん、クラッシュアイスも大量に入れる。

昔は氷がない方がジュースは好きだったけど、最近になってクラッシュアイスが入りが好き。口当たりが冷たくて気持ちいいというのが理由。

 

梅シロップは母が毎年、氷砂糖と梅をつけて作るもので市販のものではない。

家庭の味の一つ。

 

梅ジュースの良いところは、継続的に飲んでいると疲れにくくなることかな。朝起きてだるいとか、そういうのがなくなった気がする。

 

基本的に酸っぱい飲み物、食べ物が好きだけど、特に梅ジュースはおススメ。

飲みたくなった人は、梅シロップ作りからどうぞ!

 

データ分析の基本を学べる本

データ分析というと「データ分析基盤」のことが良く取り上げられますが、今回はデータ分析(統計的手法)の内容を理解するための本を紹介します。

 

私が最もお勧めするのは、

 

みんなの医療統計 12日間で基礎理論とEZRを完全マスター!(KS医学・薬学専門書)

 

です。

 

基本的な統計の知識自体はあるけど、どんな感じで分析に活かしたらいいのかピンときていないビジネスサイドの人が読むと納得感が高まります。

 

医療統計って医療の人だけがやるものでしょと思うかもしれませんが、分析の考え方は汎用的なので当然別の分野でも使えます。

 

例えば、顧客の離脱までの時間が、イベントに参加した群か否かでどの程度異なるかなどはこの書籍にも掲載されている生存時間分析の考え方を適用できます。

おすすめな使い方ですが、考え方をこの本で熟読してから、自分が使いたいデータを対象にして書籍に掲載されている分析手順を適用してもいいと思います。

分析する時には手元のデータをこういう形にしておけばいいのか!という点も手を動かしながら身に着けられます。

ゲーム作りは難しい《アナリストになりたい人へ》

ゲーム事業は難しい

ゲーム会社に転職したので、ゲーム事業の難しさをまとめてみました。

新卒でデータ分析をやりたいと考えている人など参考になればと思います。

簡単に経歴を紹介します。

データサイエンティスト⇒事業会社複数を経て、今はゲームメーカーでアナリストという立場で色々やっています。

 

2つの難しさがある

ゲーム事業の難しいところとして感じるのは、大きく2つあるかなと思います。

  1. 企画も分かるITプロマネがいないと開発が崩壊する。そして、開発体制にナレッジが蓄積されない。
  2. ゲームの改善は思ったよりも腰が重い。

 

アナリストの立場としては、2.が辛いですね。

A/Bテスト的にウェブサイトを改善していくみたいな実験的なPDCAサイクルの回し方ができないのです。

ゲームの改善で出来ることは、1)インセンティブを与える、2)アイテム消費を激しくする、3)ゲームの難易度を挙げるの3つくらいです。

ゲームの利用活性度を保ったまま、一人当たりアイテムの消費量を挙げようとすると、1)or2)の方針での施策が考えられます。

ゲーム内での経済圏をコントロールするのであれば、有償アイテムの価格弾力性を調整する価値設定もありえます。しかし、お客様の立場からしたらこれまで積み上げてきたゲーム内資産の目減りもあり得るわけですから現実的には、ゲーム内での価値を変動させるようなことはできないのです。できるとしてもアイテムばらまき施策、購入ボーナスの設定くらいです。

 

アナリストの価値

その意味で、アナリストとしての価値は、ゲーム内での政策案の設計というよりもイベントごとの結果集計というあたりになるわけです。あえて”施策効果の検証”と記載しないのは、正しい意味での効果検証ができないからです。

施策に効果があった人の前提となる条件のランダム割り当ては当然、ゲーム内での平等性の担保から難しいわけです。さらに、ユーザーの背景特徴量もほとんどわかりません。取得できるデータと言えばアクション関連・購入関連のトランザクションです。

アナリストの価値は、データ分析の正しさ・論拠の正確さはもとより、IPの理解に基づいていかに改善できそうなストーリーを運営側に伝えられるのかという点になります。

それゆえに、精緻に計画されて取得されたデータを前提にしてデータ分析をしたい人や解析技術のノウハウだけでやっていきたい人には向いていない環境だなと思います。

 

ゲームの企画・運営となるとどんなことをやっているのか外から見ると謎に満ちている部分も多いとは思いますが、アプリ・ゲームプランナー完全マニュアルという本が業務の概要がよくまとまっていますので参考にできるかと思います。

 

★アプリ・ゲームプランナー完全マニュアル★

 

アナリストの価値を踏まえた行動

 正直、アナリストと言いつつ、なんでも屋をやっているのでこれからもプロジェクトの捌きと分析の企画の部分をやれればいいかなとは思っていますが、技術的な面(特にモノを作るという面)は強めていきたいなと思っています。

技術という意味では、アナリストの仕事を自動化するということも一つの目標です。

 

 

ベンチャーの夢をみるなら早いうちに見て、失敗しておこう

 

この記事を書いた目的

冒頭いきなりだが、私はまごうことなきジョブホッパーである。大手からベンチャーまで複数の企業を渡り歩いた。

 

別に渡り歩いたことを自慢して、読者に対してマウンディングを仕掛けたいわけではない。これからベンチャーに転職したいと考える人の参考になればと思い、この記事を書いている。この記事を書いた動機は二つある。

 

 一つはベンチャーに応募してくる人を見ていて思うこと。ベンチャーに転職をしたいと応募してくる人を幾人も見ていると、ベンチャーでカルチャーギャップを感じる点をリアルに想定できていない人が多いと感じたからだ。当然、入社してもいないのだからリアルに想像できないのは当然である。情報の非対称性があり、良くも悪くも応募者と企業の間の正しいマッチングが出来ていないと感じる。

 

 二つ目の理由は、世の中の会社は基本的にいいもんじゃないということを伝えたいからだ。世の中のすべての物事はトレードオフで決まっていて、いい点もあれば悪い点もある。それは企業においても同じで、大企業のいい点・悪い点ベンチャーのいい点・悪い点は存在する。ベンチャーに転職を志向する人の中には、ベンチャーに行けば《自由》《裁量》《人間関係》《仕事の楽しさ》すべてが自分の思い通りに動かせそうと感じている人がいる。いくら楽しそうなことを標榜しているベンチャーでも看板と中身の違いは大きいのだよということを伝えたい。

 

 ここから先は、これまでの体験ベースで、どんなところに《退職の罠》があるのかを列挙したい。退職の罠というのは、要するにミッションは理解しているが具体的な業務やカルチャーがどうしても合わずに辞めたくなるポイントという意味である。超個人的な見解のため、一般法則ではない。むしろ別の観点があるとしたら私も知りたいので是非教えてほしい。

 

 ベンチャーに転職して年収がUPした!と喜ぶ人も多いが、短期で退職してしまっては結局手元で得られるのは、数か月分の給与と短期の職歴のみである。職業体験的な意味では、有益な体験ではあるもののキャリアを作るという意味では人生の時間をより楽しく自分にとってフィットすることに費やしてほしいと老婆心ながら思っている。

 

ベンチャーに転職して感じる2大ギャップ

ギャップポイントその①:ベンチャーに転職する人は本当の事業の中身をよく見たほうがいい。

 基本的にベンチャーは営業会社が多い。理由はすごく単純でキャッシュフローを改善して資本金を減らさずに事業をグロースさせるための最も強力な要素が営業だからだ。別にこれ自体は悪いことではない、むしろ商売の基本である「開発⇒製造⇒販売」という流れのサイクルタイムを早めるための重要な職務である。

 事業の中身を見たほうがいいというのは、実態は単なる営業会社(ここで言う営業会社とは自社製品・サービスを持たず仲介や人売りの会社)でありながら、対社外向けには耳障りの言いことを言う会社が多いからだ。

 私がよく出くわす文言は、「テクノロジーの力で~~を変えてく」というもの。ここで参照されているテクノロジーとしてあげられるのは、ITシステムのことがほとんどだ。よくよく聞くとITで変える部分と言っているのは、UIの部分であり、本質的にユーザーの購買体験が変わるというものではない。こういった会社では、結局のところUIの裏側で動いている業務は従来ビジネスとは何も変わらずに、ゴリゴリの営業と超属人化されたノウハウに支えられているというところが多い。

 それゆえに、《中長期的なR&Dプロジェクトをやりたい》《新規事業をリスクをとって社内で始めたい》と考えている人は、ベンチャーよりも大企業が向いていると思う。R&Dも新規事業もどちらも企画の時点でアイデアが必要とされるものである。アイデアを練るという行為は余裕のある思考が出来て初めて成立するものであり、日銭稼ぎの業務で金と時間のやり取りに消耗していては余裕は無くなる。

 

ギャップポイント②:環境要因(≃カルチャー、人)の水準は想定より高くはない

 ベンチャーの人材レベルは基本的には高くないと考えた方がいい。経験値やナレッジが組織にたまっておらず、とにかく《動く》だけの人も多いのが実態である。動くことができないやつが、どんな仕事をするんだ!というツッコミが聞こえてきそうだが、その通りだと思う。動き方にも種類があって、重要なのは《組織で動く》ということが重要である。組織で動くためには《目的》《論点》が共有され始めて具体的なアクションに移るはずである。

 大企業でも残念ながら目的・論点という言葉だけ表層的にとらえて、組織で動ける人は多くはない。いわんや(・・・反語)

 思考レベル以外にも社会人として超基本的なマナー、立ち振る舞いという点でもベンチャーの水準は総じて高くない。大企業から転職する人がまずギャップを感じるのはこのあたりだと思う。仮に入社したら「こんなことから教えないといけないのか」「社会人としてレベルが低すぎる」と率直に感じることがあるのではないかと思う。

  

ベンチャー企業の類型

ここでは、私が考えるベンチャー企業を類型的に箇条書きで書いてみたいと思う。

類型①:先生型コンサルベンチャー
  • 代表取締役の人脈と業界のポジショニングによってのみ成立している会社。

  • インカムラインは人売り、事業はPRのためのもの。

  • 自社の事業をもたないから集まる人達は個人事業主っぽい人が多い。

  • 「先生型」であることが許されているがゆえに、事業を具体的に提案・推進するという点においてお寒い議論をしがちな人も多い。

類型②:錬金術ベンチャー
  • テクノロジー会社っぽいPRをするものの中味は普通のシステム営業会社。

  • 自社ツールの開発は全く進まない。

  • 自社製品がないから結局はITのシステム構築で人売りになる。

  • トップマネジメントが興味あるのは「上場」「資金調達」のみ。

  • 大手SIer出身のおじさん、おばさんたちがレファーラル採用でたくさん入ってくる。

  • おじさん、おばさんは【大手SI】かつ【PM】みたいな仕事しかしてこなかった人が大多数なので、技術はおろかスピード感が求められるプロダクト作りにもキャッチアップできない人が多い。モノづくりを期待するクライアントからしたら悪い点だが、システム営業会社という実際の企業の立ち位置を考えれば、営業リードを取るためのきっかけとしては使える。

類型③:サークル系ベンチャー
  • ノリですべての業務を回す会社。

  • 「仕事こそが人生だ!!」と主張し、労務管理もずさんな組織となり果てる。

  • ノリしかないので、付加価値が低い仲介事業を主に展開する。

  • 客には新しい事業っぽいフレーズで売り込んでいるが、実際の売り上げは従来の企業と変わらない。いかにして自分で考えない顧客を取り込むかがビジネスのカギになる。

  • 働く人は基本的に皆、個人的な付き合いの範囲ではいい人が多い。

  • 組織の構築や業務の標準化という「組織で仕事を作っていく」という点に関しては苦手でとかく個人プレーに走って場当たり的に対処する。

 総括

 ベンチャーでも大企業でも合う・合わないは人それぞれ。ここに記載したものはベンチャーに入社した時にギャップとして感じる点をギャップっぽく書いたものである。ベンチャーに転職したい人は、面接だけでなく現場のディスカッションなどにも参加させてもらってから意思決定した方がよい。

 入社してみて違うなと思うこともあるだろう。そのためにも早いうちに、部分的にでもいいからベンチャーと関わりを持ちながら現実感をもって転職するのがよい。

鹿児島旅行記~美味い物探し編~

 1月末日に3日の日程で鹿児島に旅行に行ってみた。《西郷どん》が放送されるなか、さながらミーハーかつ安易な旅先の選択に思われるかもしれない。西郷どんが面白いのは確かだが、私は旅行では「食」に拘ってみたいのだ。単純明快にうまいものが沢山食べられる旅行先はどこかということで、鹿児島を選んだ。

 実は今回の鹿児島は初めてではなく2回目だ。大学・大学院時代の友人が鹿児島出身であり、以前友人と鹿児島を2泊3日の日程で回ったことがある。その時は、市内観光と登山(開聞岳高千穂峰)を目的としていたのだが、図らずして地元の美味い物を幾度となく友人M氏は私に紹介し続けたのである。当然ながら、全てを食べられる訳もなくその時の旅行は、美味い物に対して若干の未練を残しつつ、終えたのである。今回は、美味い物を食べつくすためのリベンジ&温泉を目的にして鹿児島に出発したのである。今回の記事は、鹿児島で食べた美味い物を紹介する。

 1日目は、鹿児島市内と桜島の美味い物だ。鹿児島市には、中心部に天文館と呼ばれる繁華街があり、界隈には飲食店やデパートが集中している。鹿児島ビギナーもここに来れば鹿児島の有名なお土産や飲食店は見つけられる嬉しいエリアだ。鹿児島は、魚と肉が好きという人にはたまらない。なぜなら、和牛、黒豚、海産物いずれもが新鮮かつ美味しいのである。そんな鹿児島市にある《廻る寿司めっけもん》に行ってみた。私たちが伺ったのは、ドルフィンポート店という天文館から少し離れた場所にある店舗だ。駐車場が完備されているので、レンタカーを利用している人には、使いやすい店舗だ。白身が豊富に用意されているという、白身の握りマニアにとってはワンダーランドな回転寿司でおススメなのは、《細魚》だ。身の歯ごたえはほどよく、細魚独特の旨みを最大限に味わえるネタに仕上がっている。他にも白身の種類はあるが、おすすめの食べ方は地魚白身3カンを頼んだのちに、おすすめのお品書きに記載されて吊るされてるメニューから選んでいくとよい。

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 1日目の夜は、熊襲亭》で郷土料理を頂く。ここで体験したかったのは、鹿児島の味付けというものだ。友人から聞いていたが鹿児島は甘い味付けが好きらしい。味覚の文化を体感するなら郷土料理だろうということで、ここで郷土料理を食べた。甘い味覚も醤油に始まり、とんこつ、酢味噌と続くと自然な感覚に覚えてくるものだ。

 郷土料理だけでは、口さみしい大人たちは、締めにラーメンという選択肢がある。そんな鹿児島ラーメンのお店で今回食べたのは、鹿児島ラーメン とんとろ》だ。基本のラーメンであっても、ニンニクチップは乗っており、濃厚な味わいを楽しめる。スープは濃厚なのだが、不思議と臭みやしつこさはなく、締めでもあっさりと食べきれる風味である。ニンニクチップをかき混ぜると、また一層、風味が立つのが面白い。

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 2日目は、指宿方面で食を得る。指宿と言えば、枕崎にほど近く砂蒸し温泉があることで有名だ。街には湯気が立ち上り、車で運転していても指宿と地熱の雰囲気というものを感じずにはいられない風情のある地域である。そんな指宿では、《ヘルシーランドで食事をとることにした。ヘルシーランドには《たまて箱温泉》という絶景を楽しめる温泉があるのだ。温泉で温まりお腹がすいた人には、ヘルシーランドかつお御膳》がおすすめだ。6品ついており、中でもカツオのたたきが絶品!絶妙に調整された三杯酢の酸味とカツオの旨み、そして薬味が混ざり合うことで、いくらでもカツオを食べられてしまう気分になる。地元の特産のお漬物とともに味わう白米もまた絶品。

 ここまでは、魚だったがやはり肉も外せない。2日の夜は、黒豚のしゃぶしゃぶだ。しゃぶしゃぶが食べられてかつ、いい感じの雰囲気で食事をしたいと思い人には、《いちにいさん 鹿児島本店》がおすすめだ。カウンター、テーブルどちらでも雰囲気の良い中で食事ができる。《にいのコース》では、揚げ物やとんこつがお食事としてついており、しゃぶしゃぶを堪能する前は最高の腹ごしらえになる。たっぷりのネギとそばつゆで頂くしゃぶしゃぶは、豚の油をあっさりとした味わいで堪能できる一品だ。しゃぶしゃぶの後には、お蕎麦を鍋に投入して蕎麦を湯がいて食べるのが鹿児島流。蕎麦は更科であり、しゃぶしゃぶ後にも食べやすい一品だ。

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 3日目は、2日目夜に続いて霧島で肉である。霧島と言えば、黒さつま鶏に代表される鶏肉である。鶏肉を堪能するには、はやり、まずは焼きであり、《各部位》を堪能したい。そこで、選んだお店は、《地鶏料理みやま本舗》だ。盛り合わせを頼み、ムネ、モモ、ハツ、キモ、ナンコツを食した。にんにく醤油タレにどの部位もよくマッチするのだが、特にキモがおいしい。キモのおいしさがタレとよく合い、ご飯が進んでしまう。

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 鹿児島で忘れてはいけない調味料がある。黒酢だ。鹿児島県内の黒酢の生産地と言えば、福山市だ。福山は年間の平均気温が18度前後あり、県内でも有数の温暖なエリアである。それゆえ、200年前から黒酢の製造がおこなわれており、黒酢の発酵の元となる酢酸菌も福山という土地に根付いているものらしい。福山の黒酢といえば、《桷志田(かくいだ)》である。ここには、レストランが併設されており、黒酢がどんな料理の幅を広げてくれるのか、酸味を愛する人間たちにはテーマパークにも似たワクワク感と期待値をもたらしてくれるスポットだ。ランチは非常にバリエーションに富んでいる。何よりの特徴はすべての料理に、黒酢が使われているということだ。食べ始める前は黒酢の酸味ばかりが先行している料理になっているのではないかという懸念もあったのだが、私の浅はか予想は軽く打ち砕かれるのであった。黒酢自体は、最適な濃度にして使うことで酸味よりも旨みを引き出して、料理のさわやかさを引き立てる能力があるのだ。これも福山の地で、壺を使ってじっくりと米と麹で熟成させる《本物の黒酢だからこそなしえる味わいなのだ。

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 《食のテーマパーク》と言っても過言ではない鹿児島には、まだ食べきれぬものがあり過ぎると判明した食の旅路であった。

博士課程・社会人で後悔することの話

0.この話の背景

博士課程に進んで後悔・進まなくて後悔とは何が原因で起こるのか。

私は物理工学の修士号を取得し、現在はデータ分析・IoTに関連する仕事をしている。博士号を取得しておけばよかったと思うこともこれまで幾度となくあった。しかし、博士課程に進学していても、民間就職してみれば良かったと思うのであろう。

最近とある企画の仕事をしていてふと、その原因を考えてみたのでここに書き記しておきたい。

 

1.何が原因か?

自分に限って言えば、上記のような天邪鬼ともの言える態度を噴出せしめる原因は、Willがないからだろうと判明した。Willというのは今後どういうことがしたい、どんなことが達成したいという意思のことである。

Willがないが故に、自分自身の関わるものを選択することが与えられたものの中から選びがちである。しかも、その選定基準が時々の興味に大きく左右されてしまうので一貫性が欠けるのである。

一貫性がないことが悪いことではないが、ある程度の核となる哲学がないとふらふらしてしまいがちだ。Willがないことの際たる弊害は、自分の関わることへの興味関心のスイートスポットが狭くなってしまうことだ。時々に興味が移り変わり、スイートスポットが狭くなる。これは何が起こるかというと、隣の芝を青く見て、どんどんと移り行ってしまうのだ。目的達成のための手段を変えるのは正解だが、目的地がないなかで流浪するのは浪人である。

 

3.どうすればWillは見つかるのか?

普通の人が普通に過ごしていてもWillなんてもんは見つかるわけがない。

そもそも人間(動物)はキャリアデザイン的な意味合いでのWillは本能的には実装されていない。マズロー欲求段階の最初の段階が最も本能に近いのだ。それゆえ、日々を坦々と過ごすだけではWillは生まれない。

Willを見つけるには、早い段階でプロトタイピングをしてみることだ。プロトタイピングとは、自分の興味とその周辺の事柄に手当たり次第アプローチし、お試しをしてみるのである。プロトタイピングで重要なことは、始める前も始めた後もすぐに自分の評価を挟まないことが重要だ。「自分は向いていなそう」「雰囲気が無理」「今日は雨だから・・・」など理由をつければやらない理由はすぐに見つかる。プロトタイピングなのだからすぐに始めて合わなければ、変えれば良い。

次にするべきことは、いくつものプロトタイピングを重ねて、企画を作ることだ。企画とは、文字通りWillが要求される思考プロセスである。例えば、プロトタイピングとして、ウェブ広告の会社にインターンしたとする。その時、「ウェブ広告のこの会社で、自分はどんな企画をやりたいだろうか?本当にやりたくなる企画、面白い企画はなにか?」を5W1Hで考えてみるのだ。考えてみたら友人でも知人でも誰でもいいから捕まえて企画のアイデアをぶつけてみる。ぶつけてみるとネガティブな反応が多いだろう。その時に、相手ではなく自分を観察してみるのだ。「いいアイデアは理解されないよね」「コアのアイデアはよかったけど、この部分のみ修正かな」という具合に楽観的に自分のアイデアが受け入れていられるかを感知するのだ。なんだか否定されたような気がする。。。そのように感じる理由は、Howの部分を考えていたからであろう。HowではなくWhatを考えれば揺るぎはない。

4.大学院進学に迷っている学生と自分自身へ

就職するか、研究するのかというのは手段でしかない。就職も研究も自分のWillに向けた手段と捉えて利用すればよい。世界は与えられたものでなく自分で広げればよい。

重要な論点はどの環境を与えられ選ぶのかではなく、自分のやりたい企画は何かがあるかいなかである。仕事はお金を得るために坦々とするものであるという意見にも私は大賛成であるし、やりがい幻想なぞ以てのほかであると思っている。しかし、限られた命を生きるのであれば、やらされていることばかりでなく自分で何かを作りワクワクしてもいいと思う。

幸いにして、私は企画の仕事をしてから自分自身のWillを見つけることができた。アカデミアに戻りたいと思い退職したりしたこともあったが、その経験があるから、他の人には認知の幅のせいで論点を誤ってほしくはないと願っている。

四万たむら@四万温泉は最高の日帰り温泉

 四万温泉群馬県の吾妻エリアに位置する中之条町に位置する温泉だ。山を越えれば、長野県と新潟県にすぐに行けてしまうような位置にある。四万温泉中之条町の四万エリアにある温泉で国道353号線の行き止まりにある。国道の行き止まりというだけですでにワクワクさせてくれる温泉だ。高速道路からのアクセスは、渋川伊香保ICで降りて一般道で約1時間程度だ。四万温泉への道は、山道によくあるグネグネ道ではさほどない。同乗者に酔いを促さない点もアクセス上の良いポイントだ。

 四万温泉のアクセスで注意しなくてはいけないのは、駐車場がすべての施設に潤沢にあるというわけではない点だ。四万温泉の入り口には、公共の駐車場がある。公共駐車場に車を置いて温泉に行くという流れだ。もちろん本エントリーで主に紹介する四万たむらには駐車場がある。事前に駐車場の有無をチェックすることが肝心だ。

 四万温泉には42の源泉があり、うち39か所は自然湧出、3か所は掘削湧出となっている。掘削深度も100m~300m程度である。まさしく、四万温泉の湯は川から湧き出ると言ってもよいのではないか。

 今回伺った宿「四万たむら」は、その起源をたどると室町時代永禄6年にまでさかのぼる由緒正しい宿だ。「四万たむら」のしつらえは、その歴史に恥じぬ整ったものである。玄関やロビー、温泉までの通路はよく整備・掃除されており不快感を微塵さえも感じさせない。藁葺屋根の母屋は、「四万たむら」のシンボルとしての役割以上に、宿を訪れるものを「四万たむら」の深い歴史に誘い、温泉への期待値を最高に引き上げてくれるものだ。

 宿の女将さんの振る舞いの気持ちよさこそ、「四万たむら」の競争力となっているのだと思う。日帰り温泉にて伺ったのだが、浴場の案内と丁寧にしてくださった。

 「四万たむら」には、全部で7つの湯があるが、今回の露天風呂「森のこだま」、庭園露天風呂「甌穴(おうけつ)」、檜風呂「御夢想の湯」に入ることにした。むろん、伺った日は雨ときどき曇りの天気であったが、この天気がむしろ最高だった。「森のこだま」は川に面した露天温泉だ。透き通る泉質の温泉は、ほんのりと温泉独特の風味を漂わせる。時間は11時頃だったため、一人貸し切りの状態である。川の音と雨の音、雲の流れの幻想的な雰囲気の中で入る温泉は、晴れた日に入る温泉とは異なるものを感じさせてくれるものだ。「甌穴」はより川に近いイメージで入れる温泉だ。もちろん外部からの視線は防げるようになっている。岩と屋外の涼しさそして温泉の香りを体験することで、むしろ本来あるべき温泉の楽しみというものを体感したように思う。「御夢想の湯」は檜風呂であり、檜の香りが漂う浴場だ。「甌穴」とは対照的に檜で作れられた浴槽と温泉の香りのオーケストレーションを楽しむことができる。

 日帰り温泉は、昼食なしで1,730円であり金額だけみると若干割高と思われるかもしれない。しかし、7つの浴場と源泉かけ流しの湯を素晴らしい宿で体験できるとなれば、この金額はむしろリーズナブルと言えよう。