意思の力と環境の力

Dear S.A

 何かをしようと思う時、人は何かしらの意思を持つはずである。意思と言っても多様なものがあり、語学など知識の習得に励む意思、体力をつけるための運動をする意思、何かを止める意思 etc がある。特にこの記事では、「何かを止める意思」の方について書いてみる。
 人は「何かを止める」意思をもつことは誰でも経験しているはずである。例えば、勉強しているときには、ゲームをしないようにするということも「何かをやめる」意思と言える。誰しも、経験したことのある、「止める」意思であるが、はたしてどれほどの人が、この意思を屈強に貫き通したことがあるであろうか。おそらく、この「意思」の力だけで「止める」ことに成功した人はほとんどいないと考えられる。僕も意思の力だけで、何かを止めることに成功したことはない。
 意思の力だけで、「止める」ことを実現するにはどうすればいいか。そのひとつの方法として、「やりづらい」環境を作ることである。「止められない」パターンとして考えられるのは、止めようにもそれを想起させるものが視界に入り、余計に意識は「止める」ことに集中してしまうこと。視界に入らなくても、原因が身近にあれば、どうしてもそれを意識してしまい、最終的には流されること。それゆえに、身近に原因を置かないことが重要である。そして、置かないだけではなく、原因を全く放棄することが重要である。放棄の過程でこそ大切なものが、「止めよう」とする意思である。真の意思であれば、もしくは、真の意思としたいのであれば、原因に対して見切りをつけることが必要になる。見切りをつける意思を実行できることが、第一ステップと考えられる。第二ステップは自己の周辺環境以外に影響されないよう努めることである。
 以上のように、意思と環境は密接な結びつきがあると考えられる。



最後に最近読んだ、オススメの本を紹介します。基本的には理工書です。

物質科学の基礎 物性物理学(溝口正)裳華房
統計力学1、2(田崎晴明)培風館

固体物性と統計力学のテキストはなかなか授業と自習の両方で使えるものが無いのですが、上記の2冊は授業の補足としても利用できるし具体例が丁寧に解説されているので問題演習を解くときにも使えるのでオススメです。物性物理学は値段が若干高い(5000円+税)のですが、それを差し引いてもとても参考になるテキストだと思います。